株式会社朝日ラバー

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サステナビリティ/環境

環境パフォーマンスデータ/活動状況

朝日ラバーグループは、持続的な未来の実現のためには地球環境に配慮した事業活動が必須と考え、温暖化対策をはじめ、循環型社会の形成に向けた廃棄物削減、化学物質の適正な管理に取り組んでいます。

地球温暖化防止

電力使用量(日本国内の4工場 使用電力量=購入電力量+自家消費型太陽光発電量)

2023年度に自家消費した太陽光発電量は約97万kWhで、日本国内の全工場(4拠点)における使用電力量の12.2%となりました。特に白河工場、白河第二工場では太陽光発電の導入を進めており、2工場を合計した使用電力量のうち25.8%は太陽光発電によるものです。

省エネ活動としては、設備電源を中心とした不使用時または不必要時の停止(手動による停止や有圧換気扇に温度センサ取り付けによる自動停止など)、工場エア用のコンプレッサの組み合わせ及び吐出圧力の見直し、エア使用設備の運転停止時のエアバルブの閉止、ゴム材料の混練り方法の改善、設備の断熱化推進によるヒーター電力削減と周囲温度の上昇抑制によるエアコン電力低減、加湿設備や給排気設備のメンテナンスによる効率の維持のほか、電力の見える化によるムダの発見と運用改善を中心とした活動を進めました。

また、今年度より省エネ分科会を開催するほか、前年度に続き、省エネパトロール、省エネ標語の募集、省エネ改善提案のキャンペーンなどの意識向上活動を実施しました。

これらの全員参加型の省エネ活動の成果により、太陽光発電を除く購入電力量は、前年比2.8%の減少となりました。

白河工場にV2Hシステムを導入

白河工場にV2Hシステムを導入

温度センサ取り付けにより不使用時は自動停止する設定へ

温度センサ取り付けにより不使用時は自動停止する設定へ

分電盤へ電力測定器を取り付け使用電力を見える化

分電盤へ電力測定器を取り付け使用電力を見える化

電力使用量の推移

電力使用量の推移
CO2排出量の低減(日本国内の工場)

当社では2021年12月より、日本国内の全工場(4拠点)で使用する電力のうち、外部から購入する全電力を再生可能エネルギー由来の電力(水力発電による属性のある非化石証書付電力)に切り替えました。これにより従来のCO2排出量に比べ、年間約3,000tのCO2排出量が削減されます。

また、各工場では自家消費型太陽光発電設備の導入を推進しています。現在は日本国内の全工場の屋根に太陽光パネルが設置され、工場稼働に必要な電力として使用しています。2015年から工場での自家消費型太陽光発電設備の導入の検討を開始し、2016年に初めて白河工場へ導入することとなりました。以降、各工場にて導入を推進しています。

2023年度の実績は、国内全工場での総使用電力量約790万kWhで、前期比2.5%減を達成しています。国内全工場の中でも白河地区にある白河工場と白河第二工場では太陽光発電設備の導入を積極的に進めており、電力由来のCO2排出量はゼロとなり、現在のCO2排出量の構成は、灯油、廃棄物、その他(ガソリン、軽油、プロパンガス)となり、灯油と廃棄物で約98%を占めます。

※灯油の使用量、廃棄物に関しては、下記の灯油の使用量、廃棄物の削減の記述をご確認ください。

2023年度のCO2排出量は984トンで、前年度比1.7%増加しました。灯油の使用量は前年度比3.2%減少しましたが、廃棄物の量は前年度比4.8%増加、特にゴム屑の廃棄量は前年度比7.4%増加しました。廃棄物の量の増加がCO2排出量の増加につながったと考えています。

2023年度に、電気自動車(EV)を1台導入しました。積極的に活用しガソリン起因のCO2削減に努めています。

水力発電(イメージ)

水力発電(イメージ)

よりそう、再エネ電気 契約証明書

よりそう、再エネ電気 契約証明書

2023年度から、GHGプロトコルに基づくGHG排出量の算定の準備を開始し、2022年度分を算定しました(日本国内,Scope1・2・3)。今年度より算出結果をご報告いたします。

CO2排出量の推移

CO<sub>2</sub>排出量の推移

※2022年度からGHGプロトコルに基づく算定を行っています

※データはマーケット基準に基づく数値です

CO2排出量(スコープ1,スコープ2)の推移

2022年度
(t-CO2)
2023年度
(t-CO2)
マーケット基準 スコープ1 607 589
スコープ2 46 36
ロケーション基準 スコープ1 607 589
スコープ2 3,139 3,075

スコープ1,2,3の割合

作業者の保護具を選定

スコープ1,2,3の排出量

※マーケット基準で算定

スコープ・カテゴリ 2022年度(t-CO2) 2023年度(t-CO2)
スコープ1 607 589
スコープ2 46 36
スコープ3 40,038 39,740
カテゴリ1 購入した製品・サービス 17,005 16,308
カテゴリ2 資本財 1,036 1,301
カテゴリ3 Scope1・2に含まれない燃料
およびエネルギー関連活動
562 545
カテゴリ4 輸送・配送(上流) 161 153
カテゴリ5 事業から出る廃棄物 173 168
カテゴリ6 出張 46 45
カテゴリ7 雇用者の通勤 640 622
カテゴリ9 輸送・配送(下流) 14 16
カテゴリ10 販売した製品の加工 1,175 1,186
カテゴリ11 販売した製品の使用 19,022 19,201
カテゴリ12 販売した製品の廃棄 204 196
合計 40,691 40,365

2023年度のScope3は、前年度比0.7 %減少

灯油の使用量(福島工場・第二福島工場)

灯油は、医療製品の工程で使用する温水を作るために使用しています。該当する製品の生産数量により使用量は増減しますが、ボイラーからの蒸気熱を水に伝える熱交換器や配管部分からの蒸気漏れ、保温材の劣化などの設備状態、ボイラーの燃料を効率的に使う運用面の管理が重要です。また、品質不具合による再生産ロスを少なくしていくことも重要な取り組みになります。

2023年度も蒸気熱のロスを改善する取り組みに重点を置いた活動をし、品質不具合によるロス低減に取り組みました。該当する製品の生産数量は前年度比1.4%の増加でしたが、省エネ活動の成果により、灯油使用量は3.2%の減少となりました。

配管を保温し蒸気熱のロスを低減

配管を保温し蒸気熱のロスを低減

灯油使用量の推移

灯油使用量の推移

資源循環型社会の実現

廃棄物の削減(日本国内の4工場)

廃棄物質量の4割強を占めるゴム系廃棄物は、ゴム成形の性質上、金型キャビティからはみ出す余分な材料(バリ)が必要となるため、生産量に対して一定割合で発生する性質があります。

また、ゴムは一度、加硫反応させると元の材料に戻すことができません。そのため、生産量の増加は廃棄物の増加という関係になります。その前提の上に不良品などのロスによる廃棄物が上乗せされることから、これらのロスを減らす活動に取り組んできました。バリの少ない金型設計による廃棄物削減に加え、バリの再資源化に対する活動にも取り組んで行きます。

廃棄物総排出量と前年度比の推移

年度 廃棄物(t) 前年度比(%)
2019 296.0 100.3
2020 244.1 82.5
2021 260.3 106.6
2022 302.4 116.2
2023 317.0 104.8

廃棄物の種類(2023年度)

種類 排出量(t)
ゴム屑 149.8
シリコーンゴム 34.8
ポリシートを含む廃プラスチック 73.4
汚泥 10.8
排紙 19.9
可燃物 14.4
木製パレット 10.5
その他 3.4
白河工場廃棄物コンテナ

白河工場廃棄物コンテナ

廃棄物総排出量

廃棄物総排出量
リサイクルの推進

ゴムやポリシート、木製パレットは、RPFなどの燃料、硬質プラスチックや樹脂製廃ブラスト、廃ウエスなどは焼却後の灰を路盤材、一部のゴムや古紙類は再生原料に利用しています。これまでに開拓したリサイクルルートにより、2023年度は、一般廃棄物を含む全廃棄物に対するリサイクル率は93.3%となり、90%以上を継続しています。

ポリシートに関して、従来、ポリシート(廃プラスチック類)はRPF燃料化されサーマルリサイクルされていますが、2023年度より一部のポリシート(廃プラスチック類)はリサイクル業者へ資源として提供することにより、再生ペレットとなり、その後、ごみ箱や玩具など、新たなプラスチック製品として再資源化(マテリアルリサイクル)されています。

一部ポリシートを再資源化

一部ポリシートを再資源化

リサイクル量およびリサイクル率の推移

リサイクル量およびリサイクル率の推移
水の使用量(日本国内の4工場)

水の主要用途は、ゴム製品の処理や洗浄になります。工程のトラブルが使用量に影響するため、品質不良による再生産を予防する活動を継続しています。また、敷地内の水道配管は地下に埋設されている範囲が大きいため、水道配管の劣化や冬期の凍結による水道管破裂による漏水ロスを少なくすることも大切です。異常の早期発見と処置のため、水使用量の定期チェックによる異常の確認を行っています。

2023年度は、医療製品の生産数量が前年度比1.4%の増加し、処理や洗浄による水の使用量は前年比1.8%増加しました。

排水処理設備の安全パトロールを実施

排水処理設備の安全パトロールを実施

水使用量の推移

水使用量の推移

化学物質の管理

トリクロロエチレンの浄化活動

当社の主力商品だったASA COLOR LAMPCAPに含まれる不純物を取り除く目的で、過去にトリクロロエチレンを使用していました。このトリクロロエチレンが地下に浸透していることがわかり、1996年から土壌ガス吸引浄化装置による土壌浄化、2004年から地下水揚水浄化装置による浄化を行ってきました。

2012年からは、微生物分解による土壌浄化の可能性についての調査を開始し、効果確認のため、微生物を活性化させる薬剤を投入する試験を行ってきました。地下30mの酸性土壌という不利な条件のもと、なかなか効果が確認できませんでしたが、これまでの結果から少しずつ、分解反応が進んでいることがわかってきました。

2023年度も土壌中で徐々に消費される薬剤を補充するとともに地下水の汚染状態のモニタリング行い、結果を地元自治体である福島県に報告しながら、浄化の進行を確認してきました。また、土壌中にわずかに残留している汚染物質により地下水が再汚染される可能性を無くすため、2021年度に計画した汚染物質をガスとして吸引する浄化を行いました。

トリクロロエチレンの濃度は、まだ地下水基準値より高い状態ですが、低下の傾向が続いています。今後も継続した浄化活動を進めていきます。

ガス濃度調査の様子

ガス濃度調査の様子

化学物質の管理

製造工程中には、ゴム製品そのものや設備の清掃、製品の洗浄や処理用など、様々な化学物質があります。化学物質には、PRTR法などの国内法令やRoHS、REACH他の海外規制があり、当社では、これらの法規制の改正情報の収集やお客様からの含有情報の問合せに対応しています。

工程中で使用する有機溶剤や設備作動油などの化学物質も有害性、危険性の低いものへの代替を進めています。酸やアルカリなどの毒劇物、可燃性の配合薬品などの危険物は、安全に取り扱うための安全データシート(SDS)や局所排気装置を整備するとともにリスクアセスメントを実施し、より安全で衛生的な職場環境を目指して改善を進めています。

化学物質の保管容器

化学物質の保管容器