第二福島工場にデマンドコントロールシステムを導入、夏季の空調電力抑制の実施、設備を冷却するための冷却水を貯める冷水タンク設置し、水冷却用ポンプの運転回数を減少させる、夜間も生産するフロアの蛍光灯をLED照明へ変更するなどの改善を行いました。福島工場では継続して老朽化した大型エアコンの更新を行い、電力消費削減策を実施しました。また、省エネ改善提案のキャンペーンを行い、広く社員からの省エネアイデアを募集しました。
白河工場では、開発製品の立ち上げの遅れによるクリーンルームの準備運転の継続や全社的な受注の減少という環境上の増減要因も発生しました。
これらの活動や環境変化の結果、社内の売上額が前年度比5.5%減少し、電力使用量は5.3%の減少になりました。
2015年度も継続して医療用製品の品質改善に取り組み、品質不良による再生産を減少させることができました。それに伴い、生産に使用する温水の熱源となる灯油が削減されました。この改善の効果などにより、全体として灯油使用量は前年度比4.4%減少しました。
医療用製品の再生産回数の低減により、灯油同様、水の使用量も減少しました。また、週単位で水使用量のチェックを行い、消費量の異常から漏水の早期発見、処置を行う活動を継続するとともに洗浄工程での流水量の調整による節水活動も実施しました。この結果、水の使用量は前年度比10.3%減少しました。
2015年度は前年度に引き続き、医療用製品の再生産ロス改善により、灯油使用量が前年度比4.4%減少しました。新たに第二福島工場へ導入したデマンド監視装置、ロール冷却用冷水タンク、24時間稼働の作業室を中心としたLED照明への切替え、福島工場の老朽化エアコン更新などの省エネ設備の導入の他、日常の省エネ活動を継続しました。これらの活動とは別に開発製品の立ち上げの遅れによるクリーンルームの準備運転の継続や全社的な受注の減少という環境上の増減要因も発生しました。これらを総合し、CO2の排出量は電力と灯油を合わせた全体で前年比4.8%の減少となりました。
2015年度も継続して廃棄物の中では最多のゴム系廃棄物の削減を狙い、投入材料削減活動を継続し、白河工場、福島工場でゴム系廃棄物が減少しました。また、生産量の減少に伴い、原料容器であるダンボールや紙類、ポリシート、木製パレットなどが減少しました。これらの結果、廃棄物全体で前年度比6.2%の減少となりました。
これまでにポリシートやフィルムなどのプラスチック類はRPFとしてリサイクルされていましたが、硬質を含む混合プラスチックは、焼却処理後、焼却灰を最終処分場に埋立処理していました。2015年度は新たにこれらの焼却灰をセメント原料として使用するルートを作ることができました。その結果、リサイクル重量、リサイクル率が増加しました。混合プラスチック類を含めたリサイクル率は6.5%向上して88.9%となり、90%まで1.1%に近づきました。
リサイクルの定義…有償処理であっても再利用されている場合はリサイクルとみなし集計。
ポリシート、汚泥、排紙、木製パレットを加える。
通常生産工程からの排出でない鉄や廃オイルなど突発発生に伴うものを除く。
上記は2011年版から変更済み。
RoHS6物質が工程内で使用されないように原材料や混練加工済み材料を受入段階で検査するとともに、出荷する製品の確認を行うことで化学物質に対する品質保証を継続しています。
ゴムの添加剤に使用しているフタル酸エステル類(DEHP、BBP、DBP)が検討対象物質になったことから、これまでPVCとともに進めてきた配合薬品の代替活動が一層重要なものになりました。
工程内で使用しているPRTR法の対象となる化学物質には数種類の有機溶剤があります。
環境や安全に対するルールに従って使用するとともにPRTR法で指定される移動量の届出を行っています。
当社の主力商品だったASA COLOR LAMPCAP中に含まれる不純物を取り除くため、トリクロロエチレンを使用してきました。このトリクロロエチレンが地下に浸透していることがわかり、1996年から土壌ガス吸引浄化装置による土壌浄化、2004年から地下水揚水浄化装置による浄化を行ってきました。
2015年度も2012年度から開始した汚染物質を微生物に分解させ、土壌を浄化する方法についての条件確認調査を行いました。分解菌が多いほど汚染物質の分解が促進されるため、ポイントは、分解菌が増加する土壌環境を作れるかということになります。今年度も分解菌を活性化させる薬剤を土壌に投入し、土壌環境の指標である酸化還元電位や地下水中のトリクロロエチレンとその分解生成物の量的変化の確認を行いました。その結果、2014年度に投入した薬剤により酸化還元電位やトリクロロエチレンの変化が確認されましたが、決定的な結果は得られませんでした。従来から行っている地下水の揚水浄化を継続するとともに次年度も微生物による効果的な分解浄化条件の調査を続けていきます。