2019年度は、白河工場と第二福島工場に新たに設置した合計595.7kWの自家消費用太陽光発電設備が稼働し、再生可能エネルギー使用に伴う購入電力量が減少しました。
省エネ活動としては、電気ヒーター式成形プレスへの保温カバー増設、チラーなどの設備から発生する排熱対策、屋根の遮熱塗装追加などの冷房負荷低減やスマートメーターを活用し、タブレット端末による工場内の使用電力量表示や、電力の過剰使用を知らせるパトライト警報の設置などの「見える化」を行いました。
また、毎月、省エネ推進メンバーミーティングを開催し、各工場の見学やエネルギーの実績、設備電力の測定結果の勉強会などにより、職場のエネルギー改善活動を継続しました。
2019年度はこれらの活動により、電力使用量は前年比7.2%減少しました。
灯油は、医療製品の工程で使用する温水を作るために使用しています。該当する製品の生産数量により増減しますが、品質不良による再生産ロスを少なくしていくことが重要な取り組みになります。品質不良による再生産の減少に継続的に取り組むとともに、ボイラーの運転や配管からの放熱のロスの改善、排熱の利用にも取り組んでいきます。
2019年度は温水を使用する製品の生産数量の比率が増加したことに伴い、灯油の使用量も前年比11.4%の増加となりました。
当社から排出されるCO2の4分の3は電力に起因します。電力起因のCO2を削減するため、段階的に自家消費用の太陽光発電設備を設置しています。
2019年度は新たに白河工場と第二福島工場へ太陽光発電設備を設置し、約17,000本のスギの木が吸収するCO2に相当する約240トンのCO2を削減しました。
当社は今後も再生可能エネルギーを活用した生産活動を推進していきます。
2019年度も廃棄物全体重量の4割強を占めるゴム系廃棄物について、品質改善と投入材料削減活動を継続しました。しかし、新製品立上げ時の不良品の増加や不要在庫薬品の廃棄を進めたこともあり、前期比0.3%の増加となりました。
2019年度は、これまでの廃棄物リサイクルを継続し、一般廃棄物を含む全廃棄物のリサイクル率は91.9%となりました。
ゴムやポリシート、木製パレットなどはRPF燃料、硬質プラスチックや樹脂製廃ブラスト、廃ウエスなどは焼却灰を路盤材、一部のゴムや古紙類は再生原料に利用しています。
これまでのリサイクルルートにより、リサイクル率90%以上を継続していきます。
水の使用量も灯油同様、医療製品の品質不良による再生産ロスを少なくする活動を継続しています。また、敷地内の水道配管は地下に埋設されている範囲が大きいため、水道配管の劣化や冬期の凍結による水道管破裂による漏水ロスを少なくすることも大切です。異常の早期発見と処置のため、水使用量の定期チェックによる異常値の確認を継続しています。
2019年度は、処理が必要な医療製品の生産が増加したことなどにより、水の使用量は前年比7.4%増加しました。
当社の主力商品だったASA COLOR LAMPCAP中に含まれる不純物を取り除くため、当社では過去にトリクロロエチレンを使用していました。このトリクロロエチレンが地下に浸透していることがわかり、1996年から土壌ガス吸引浄化装置による土壌浄化、2004年から地下水揚水浄化装置による浄化を行ってきました。
2012年からは、微生物分解による土壌浄化の可能性についての調査を開始し、微生物分解による効果が得られるかについて、薬剤を投入しながら確認してきました。
地下30mの酸性土壌という不利な条件のもと、なかなか効果が確認できなかった微生物分解ですが、これまでの確認から少しずつ、反応が進んでいることがわかってきました。
2019年度は、これまでの微生物分解による浄化試験の結果を踏まえ、高濃度の汚染エリアにあらたに12本の井戸を掘削し、微生物分解のための薬剤投入を実施しました。年度後半から、微生物分解の効果確認を行いましたが、薬剤投入から6ヵ月間はこれまでの浄化試験の結果同様、明確な変化は確認できませんでした。
2020年度は、土壌中で徐々に消費されていく薬剤を追加投入するとともに地下水の汚染状態のモニタリングを継続し、浄化の進行を確認していきます。
製造工程中には、ゴム製品そのものや設備の清掃、製品の洗浄や処理用など、様々な化学物質があります。製品には、PRTR法などの国内法令やRoHS、REACHほかの海外規制があり、日々、これら法規制の改正情報の収集やお客様からの含有情報の問い合せに対応しています。ゴムの可塑剤として広く使用されてきたRoHS禁止物質のフタル酸エステルは、代替活動を進め、全廃が完了しました。工程中で使用する有機溶剤や設備作動油などの化学物質も有害性、危険性の低いものへの代替を進め、酸やアルカリなどの毒劇物、可燃性の配合薬品などの危険物は、安全に取り扱うための安全データシート(SDS)や局所排気装置を整備するとともにリスクアセスメントを実施し、より安全で衛生的な職場環境を目指し、改善を進めています。