経歴

2015年に入社し、朝日FR研究所から朝日ラバーへ出向。分子接合技術を用いた新規製品開発をはじめ、UV-C用シリコーンレンズの開発に携わる。現在は、風車ブレードの保護材料の開発を進めている。

朝日ラバーを選んだ理由を教えてください。

大学時代、人工骨の研究をしていました。人工骨とは、怪我や病気などで欠けてしまった骨を、人工的に作られた骨で再生を促すものです。「将来は研究者になりたい」と就職活動をしていたある日、大学の先生が朝日ラバーと共同開発していることを知り、「朝日ラバーなら、今持っている知識を活かせるのでは?」と関心が高まりました。大学で学んできた高分子やセラミックスの物性に関する知識を活かしたいと思い、入社を決めました。 入社後、これまでの研究内容をすべて活かせるわけではないものの、物事を考えるプロセスは同じです。どの物質を組み合わせたらいいのか、何度もシミュレーションして、ようやく一つの素材や製品が完成する。大学時代に培った実験のプロセスは、今でも役に立っています。

現在の業務内容を教えてください。

私は、朝日FR研究所から出向という形で当社に勤務しています。研究所では、創業期の伝統を、新しい時代に合わせて継承していくために、これからの将来を見据えた研究を行っています。研究所の裁量は大きく、発注から製品完成までのスケジュール管理を行っています。最初は、業務量の多さに困惑していましたが、各工程の業務だけではなく、すべての過程を把握できるという利点を活かして、プロジェクトの全体像を把握することができます。 現在は、風車ブレード向け製品の開発に携わっています。風車の羽根の部分である「ブレード」は、サイズによっては300km/hで回転します。そのため、雨粒がぶつかる衝撃が大きく、表面が削れてしまったり、騒音の原因となってしまったりすることも。さらに、破損によって想定よりも短い期間しか稼働できない、という課題がありました。そこで、ゴムの特性である衝撃を吸収する力を活かして、保護材料を開発し、その評価と検討を行っています。なかなか大がかりなプロジェクトのため、専門家の意見も伺いながら、製品化に向けて研究を進めています。

今後の目標をお聞かせください。

朝日ラバーは、ゴム製品を扱うスペシャリスト集団です。ゴムの特性やゴムにしかできない機能性をPRしていきたいと思います。 身近にあるゴムといえば、輪ゴムやタイヤを想像しますが、ほかにもたくさんのゴム製品があります。それらを広めるために、地域の子ども向けに「夢育活動」を行っています。たとえば、水道の蛇口を閉めると、中にあるゴムパッキンが押されて水が止まる。反対に、蛇口を開くと、ゴムが緩んで、水が出る。こういったお話をすることで、いかに見えないところでゴムが使われているかを感じてもらえると思います。また、ゴム粘土を作って、実際に触ってもらうことで、ゴムの特性を知ってもらえたらと思います。 私は就職を機に、千葉から福島に移住地を移しました。都会と違って、車がなければ移動が難しく、自家用車を購入しなければなりませんが、自然豊かで広大な土地があります。そのため、一軒家を購入して家族で暮らす、という夢を叶えることができました。これまで学んできた知識を活かしながら、新しい技術の開発に向けて、これからも精進していきます。

1日の流れ

08:30

出社

車で出勤、ラジオ体操と朝礼を終え、一日のタスクを確認する。

09:00

ゴムの配合

スケジュールに沿って、材料配合していく。

10:00

休憩

午前の休憩タイムでひと休み。

12:00

お昼休憩

持ってきたお弁当を食べたり、午後の仕事に備えて仮眠をとることも。

12:50

午後の業務開始

ゴムの強度や規格に適合するかを試験する。

15:00

休憩

社員同士で交流しながら休憩をとる。

15:15

試験結果の整理

試験したゴムのデータをまとめながら、翌日の業務の準備をする。

17:20

退社

その日のタスクを終わらせ、帰宅する。

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