光を反射する性質を持つ「反射塗料」は、住宅や照明器具、デジタル機器のプリント基板など、さまざまな場所で使われています。
反射塗料によって、反射のメカニズムや紫外線耐性・耐熱性などの性質が異なるため、用途に合った塗料を選ぶことが大切です。
この記事では、反射塗料の種類や用途別の選び方、紫外線耐性・耐熱性に優れたおすすめの反射塗料を解説します。
赤外線や可視光、紫外線など、さまざまなスペクトルの光を反射する性質を持った塗料が「反射塗料」です。
反射塗料の持つ反射のメカニズムによって、光の反射率や反射できる光の種類が異なります
反射塗料の種類として、「可視光領域の反射率が高いもの」「近赤外領域の反射率が高いもの」「再帰反射の性質を持つもの」の3つを解説します。
白色や淡彩色の反射塗料は、可視光領域の光の反射率が高いのが特徴です。
太陽光も反射するため、遮熱効果にも優れています。
たとえば、住宅の屋根や外壁などに白色の反射塗料を使用すれば、太陽光を効果的に反射し、輻射熱による建物内部の気温上昇を抑制できます。
遮熱効果に優れた反射塗料のなかでも、近赤外領域の光の反射率が高いのが「高日射反射率塗料」です。
近赤外領域は太陽エネルギーの約50%を占めるため、塗装表面の熱吸収を阻害し、温度上昇を防ぎます。
遮熱効果が高いため、「遮熱塗料」と呼ばれる場合があります。
白色の反射塗料や高日射反射率塗料は、塗膜に含まれる特殊成分によって光を反射します。
遮熱塗料と異なる反射のメカニズムを持つのが「再帰性反射塗料」です。
再帰性反射塗料は、再帰反射と呼ばれる光の仕組みを利用した塗料です。
再帰反射とは、入射した方向と反対の方向に光を反射するメカニズムを指します。
再帰性反射塗料の場合、塗膜に小さなガラスビーズを並べ、光の屈折と反射の角度を工夫することで再帰反射を実現しています。
たとえば、道路標識や自転車の反射板など、光を強く反射する必要があるものに再帰性反射塗料が使われています。
反射塗料に使われる成分によって、紫外線耐性や耐熱性などの性質が異なります。
使用環境や用途に合った特性を持つ反射塗料を選ぶことが大切です。
また、反射塗料には溶剤を含むものや、塗膜硬化のために加熱などが必要なものがあるため、反射塗料を塗布する場所の材質にも注意しましょう。
以下では、用途別の反射塗料の選び方を解説します。
反射塗料に含まれる顔料は、紫外線や熱に長期間晒されつづけると劣化し、白い粉が吹き出す「チョーキング現象」を引き起こします。
そのため、屋外で反射塗料を使用する場合や、半導体や医療機器など厳格な品質管理が求められる場所に反射塗料を使用する場合は、特性に優れた商品を選ぶことが大切です。
特性の高い反射塗料を選ぶ場合は、顔料を保護する役割がある樹脂・プラスチックに着目しましょう。
たとえば、アクリル樹脂塗料は特性に優れ、太陽光だけでなく湿気などにも強いです。
また、アクリル樹脂の反射塗料にシリコンを付加することで、さらに特性を高めることが可能です。
屋外や暑熱環境下などで反射塗料を使用する場合は、紫外線耐性に加えて耐熱性も求められます。
紫外線耐性と同様に、反射塗料に使われる樹脂・プラスチック成分を確認しましょう。もっとも耐熱性に優れているのがシリコン樹脂塗料です。
反射塗料の顔料をシリコンで保護することで、耐用年数を高められます。
一般的な塗料は常温で硬化する性質を持っています。
しかし、反射塗料によっては、塗装後に加熱しないと硬化しないものや、光を当てることで硬化するものがあります。
また、未硬化状態では溶剤を含む反射塗料もあります。
そのため、「塗布対象物が光や熱に耐えられるか」「塗布対象物に溶剤が付着しても問題ないか」といった観点から反射塗料を選ぶことも大切です。
朝日ラバーの白色シリコーンインキは、95%以上の反射率と高い特性を兼ね備えているのが特徴です。
照明器具や光学測定機器のほか、デジタル機器のプリント基板にも朝日ラバーの反射塗料が使われています。
ここでは、朝日ラバーの反射塗料の特徴や用途、耐候性に優れた「セラミックスインクハイブリットペースト」「UV用白色シリコーンインキ」の2つの商品を紹介します。
朝日ラバーの白色シリコーンインキは、95%以上の高い反射率を持つのが特徴です。
LEDプリント基板に白色シリコーンインキを塗布すれば、半導体内部の光の取り出し効率を高めることができます。
また、通常のエポキシ系塗料よりも耐熱性や対紫外線性が高く、1,000時間の耐熱試験や1時間のUV照射後も反射率に顕著な低下が認められませんでした。
白色シリコーンインキは、塗装対象物によって3種類の製品ラインナップから選ぶことができます。
たとえば、柔らかく曲げられるFPC(フレキシブル・プリント基板)やフィルムに塗装する場合、SWRシリーズの白色シリコーンインキが適しています。
逆に硬度の高いリジッド基板や金属基板に塗布する場合、PRシリーズがおすすめです。
FRシリーズの塗膜硬度は両者の中間に位置し、セラミック基板などに利用されています。
また、朝日ラバーはさらに耐候性を高めた製品ラインナップも用意しています。
セラミックスインクハイブリッドペースト(RGシリーズ)は耐熱性が高く、セラミック基板に塗布することが可能です。
医療機器を始めとして、対紫外線性が必要な機器に使用する場合は、UV用白色シリコーンインキがおすすめです。
朝日ラバーの白色シリコーンインキは、さまざまなシーンで利用されています。
用途例は以下のとおりです。
● リフレクタ(街路灯・高天井照明など)
● 一般リジット基盤(LED照明器具全般)
● プレス加工品(照明器具全般、積分球など)
● FPC(曲げられるタイプの照明器具)
また、白色シリコーンインキを利用し、金属板やフィルム基材、セラミック基板などへ塗膜加工を行うことも可能です。
高反射・高耐熱・高UV耐性の3つを兼ね備えた反射塗料をお求めの場合は、ぜひお問い合わせください。
赤外線や可視光、太陽光などの光を反射する性質を持った塗料が「反射塗料」です。
反射塗料はどれも同じではなく、それぞれに違いがあります。
反射塗料の種類は、「可視光領域の反射率が高いもの」「近赤外領域の反射率が高いもの」「再帰反射の性質を持つもの」の3つのがあります。
反射塗料の成分によって紫外線耐性や耐熱性などの特性が異なるため、使用環境に合った種類の塗料を選ぶことが大切です。
朝日ラバーの反射塗料は、高反射・高耐熱・高UV耐性の3つを兼ね備えています。
照明器具や光学測定機器、デジタル機器のプリント基板向けの高機能な反射塗料を探している方におすすめです。
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