株式会社朝日ラバー

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心臓の冠状動脈の構造を立体的にわかりやすく理解できる
「CAトレーナー」を開発!

株式会社朝日ラバー(本社:埼玉県さいたま市、代表取締役社長:渡邉陽一郎 証券コード5162)は、このたび、心臓の冠状動脈モデルの開発と生産に取り組み製品化いたしました。

本製品は2023年8月に、医療関係の学生向けの教育ツールとして、国際医療看護福祉大学校(学校法人国際総合学園、福島県郡山市)に採用されました。

1.開発の経緯

CAトレーナー(本体)

当社では、これまで培ってきた顧客や仕入先、研究機関、大学などとのネットワークを生かし、医療教育用の各種シミュレーターの開発を進めてきました。その中で、国際医療看護福祉大学校から、教育現場でのさらなる教育ツールの向上に関するご相談を受け、本製品の開発がスタートしました。

開発の中で国際医療看護福祉大学校 臨床工学技士科のご協力を得て製品化を実現しました。

2.製品の概要

このたび開発した「CAトレーナー」(CAは「Coronary Angiography:冠動脈造影かんどうみゃくぞうえい」の略称)は、心臓の冠状動脈かんじょうどうみゃくである「左前下降枝ひだりぜんかこうし」「左回旋枝ひだりかいせんし」「右冠動脈うかんどうみゃく」の3つの血管が、どのような向きでどのような見え方をするかのモデルを設計、開発し製品化しました。

心臓を造影剤投与によりX線撮影をすると、心臓を取り巻く冠状動脈は平面上に白黒の画像として映ります。教育の場面では、このような平面の画像からそれぞれの血管の位置関係を教えること・学ぶことに難しさを感じていました。

この「CAトレーナー」は大動脈からつながる左前下降枝、左回旋枝、右冠動脈の3つの血管の位置関係を正しく配置している3Dモデルです。様々な角度から撮影された平面画像でも、このモデルを参照することで、どの血管がどの位置にあるかを正しく識別することができます。片手での保持や、持ち運びが容易となるよう全体の大きさを調整しつつ、血管の太さや向きが分かりやすいモデルとなるよう試行錯誤を重ね完成に至りました。

心臓のX線撮影画像
(提供:国際医療看護福祉大学校)

【CAトレーナーの主な仕様】

モデル : MFA-C01:組立品(教育用に各パーツを組み立てるタイプ)
MFA-C02:完品(展示用や説明用の組立済みタイプ)
用途  : 学習観察用ミニチュア
大きさ : φ70×W90×H155mm
材質  : ウレタンアクリレート樹脂製
構成  : ドームケースと色分けした大動脈、左前下降枝、左回旋枝、右冠動脈で構成
販売元 : 株式会社ジェイテック MFA事業部(東京都中央区)

用語の解説

冠状動脈かんじょうどうみゃく :心臓の筋肉に血液を送る血管で、心臓に酸素と栄養を与える役割を持つ。
右冠動脈と左冠動脈に分かれ、左冠動脈は左前下行枝、左回旋枝に分かれる。
大動脈だいどうみゃく :人体の中で一番太い血管。心臓から送り出された血液が最初に通過する。
左前下降枝ひだりぜんかこうし(LAD) :心臓の前側に栄養を送る血管。
左回旋枝ひだりかいせんし(LCX) :心臓の後ろ側に栄養を送る血管。
右冠動脈うかんどうみゃく(RCA) :心臓の下側に栄養を送る血管。

3.製品の特長・製品写真

  • ・実際の血管の大きさから手のひらサイズまで縮小させており小型で軽量。
  • ・ドームケースに各血管の位置関係と名称、見え方を記載しており、角度に応じた血管の位置が把握しやすい。
  • ・血管ごとに色分けしているので血管が前後に重なり合っていても観察しやすい。
  • ・出来るだけシンプルな構造にすることで安価での提供が可能に。

CAトレーナー写真:血管部拡大

CAトレーナー写真:サイズ

4.当社と国際医療看護福祉大学校との関係

ふくしま医療機器開発支援センターでは、福島県内はもとより全国の医療機器メーカーや医療分野への新規参入企業に対して、安全評価・コンサルティング・マッチング・人材育成といった一体的な医療機器開発支援を行っています。

同センターが事務局を務める福島県医療福祉機器産業協議会の主催するセミナーにおいて、国際医療看護福祉大学校から学生用教材のニーズ発信がきっかけとなり取り組みが始まりました。同校の医療現場の発展のみならず、医療関連の教育活動に貢献するため様々な意見交換を実施しています。

5.今後の展開

 現在医療に携わっている方だけでなく、これから医療を目指す方たちも理解しやすい教育ツールや手術手技シミュレーターの開発を進め、医療・介護業界に貢献してまいります。

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