株式会社朝日ラバー(本社:埼玉県さいたま市、代表取締役社長:渡邉陽一郎 証券コード5162)は、切り紙構造とゴムを複合することにより低応力で伸長し、耐久性と抵抗値特性に優れた新しい伸縮配線を開発しました。ゴムの復元力と立体的な構造により、さまざまな配線として活用が可能です。
以下、概要をお知らせいたします。
1.当社の開発した新しい伸縮配線の特徴
@独自の立体構造による低応力での伸縮を実現
日本の伝統工芸である「切り紙」に着想を得て、立体的に構造変化するよう加工された導電フィルムの周囲を独自のシリコーンゴムで封止することで低応力での伸長と高い絶縁性を可能にし、ゴムの復元力で収縮することで高い耐久性を兼ね備えた配線を実現しました。
※意匠第1642470号取得、特許出願中
<構造イメージ>
A伸び率に対する抵抗値変化の少ない配線
独自の複合化技術により、100%の伸縮試験でも70万回の伸縮でほとんど抵抗値が変わらず、電気特性の安定した接続が可能です。
B高い汎用性
市販のFPC(フレキシブルプリント配線板)コネクタに接続可能です。さらに配線パターンを変更することにより伸長率や配線の長さ、チャンネル数をコントロールすることができます。
2.標準品仕様
項目 | 性能 |
---|---|
サイズ | 110 mm × 20 mm |
厚さ | 0.5 mm以下 |
配線数 | 4 line |
抵抗値 | 3〜4 Ω / line |
接続コネクタ(FPC) | 厚み:0.3 mm、6 ピン、0.5 mmピッチ |
永久変形率(50%伸縮) | 100万回:0 % |
伸縮耐久性試験(80%伸縮) | 100万回:抵抗値変化なし |
伸縮耐久性試験(100%伸縮) | 70万回:抵抗値10%変化 |
3.今後の展開
新しい伸縮配線は生体センシングの分野での活用が見込まれます。一例として、早稲田大学と北里大学との共同研究で発表された、新しいウェアラブル筋電計測デバイスの一部に用いられました。※1※2
様々なスポーツにおける計測に活用されるほか、ウェアラブルデバイスやロボット、介護などの配線として幅広い分野での活用が見込まれます。
※1プレスリリースについて
https://www.waseda.jp/top/news/67688(早稲田大学)
https://www.kitasato.ac.jp/jp/news/20191212-01.html(北里大学)
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20191212/index.html(科学技術振興機構)
※2原著論文
https://www.nature.com/articles/s41427-019-0183-1(オープンアクセス)
(参考)早稲田大学との共同研究開発について
学校法人早稲田大学と当社 100%子会社の株式会社朝日FR研究所は、生体分析機器及びその周辺部材の研究に関する共同研究開発契約を締結し、現在も共同研究を進めています。