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独自の分子接着技術を応用したマイクロ流体チップを開発しました。
〜マイクロTAS事業を展開していきます〜

株式会社朝日ラバー(本社:埼玉県さいたま市大宮区、代表取締役社長 横山林吉、証券コード:5162)および当社100%子会社の株式会社朝日FR研究所(本社:同、代表取締役社長 木和久)は、このたび、独自の分子接着技術を応用したマイクロ流体チップを開発し、日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長 遠藤信博、証券コード:6701)が開発した「ポータブル型DNA解析装置」のDNA分析用チップとして採用いただきましたので、お知らせいたします。

当社グループはゴムメーカーとして、特に付加価値の高いゴム製品を提供してきましたが、当社グループ独自の技術として、ゴムや樹脂、金属などの物質の表面を加工して様々な機能を付加させるという表面改質技術があり、これを応用した分子接着技術があります。

分子接着とは、媒介となる接着剤を使用せず、接着させる物質の表面を加工して化学反応により貼り合わせるというもので、接着剤による貼り合わせに比べて、経年による接着力の劣化がないこと、耐熱性・耐水性に優れていることといった特長があります。

当社グループでは、この分子接着技術やゴムと樹脂の加工技術を組み合わせることで、ユーザーのニーズに応える機能を持つマイクロ流体チップを開発しました。

マイクロ流体チップとは、基板に微細な幅と深さの流路を形成し、様々な化学的検体を流して試薬との反応や分析を行うチップで、化学・生化学分野において研究機関や実用現場で検出器具として使用されています。

本製品の特長は以下のとおりです。

【製品の特長】

①ゴムの弾力性により安定した送液が可能

ゴムならではの弾力性を生かし、新しい加工技術によりゴムと樹脂を複合化させることで流路にバルブ機能を付加できるため、ユーザーが求める流路への安定した送液が可能です。

②積層化で流路を形成するため複雑な流路設計が可能

流路や試液投入部分、検査部分などを別々のシートにデザインし、積層化することで、複雑な流路を形成することが可能です。

③独自の分子接着技術により耐久性・耐熱性・耐候性に優れた微細な流路形成が可能

当社独自の分子接着技術を用いて、接着部分と非接着部分を組み合わせて貼り合わせることで、マイクロメートルサイズで形成された流路をふさぐことなく接着させ、耐久性・耐熱性・耐候性に優れた高い接着性により試液の漏えいを防ぐチップを形成することができます。

④既存のチップに比べて安価でスピーディな試作と大量生産が可能

既存のガラスやセラミック、ステンレス製のマイクロ流体チップに比べてゴムや樹脂は安価であり、流路を刻んで形成する工程が不要のため比較的安価でご提供できます。また、分子接着や流路形成のためのレーザー加工などのノウハウが確立していることや、金型の製作が不要なためスピーディな試作対応と大量生産が可能です。

こうした当社のマイクロ流体チップの特長を評価いただき、このたび、日本電気株式会社が開発したDNA検出のための装置「ポータブルDNA解析装置」のチップとして採用いただきました。

当社グループでは、2014年3月までの中期経営計画で、医療事業だけでなくライフサイエンスの分野を重点領域の一つと位置づけ、次世代の収益の柱となる新製品の開発と市場投入に注力しています。

このたびのDNAを検出する装置に採用いただいたことをきっかけに、さらに技術力を高めて、様々な分析に使用するマイクロ流体チップやデバイスなどを開発し、社外連携も含めた、マイクロTAS事業として展開していきます。

【語句の説明】

マイクロTAS(Total Analysis System)

微細な加工技術を用いて、チップ上に微小な流路や反応室、混合室を設け、一つのチップもしくはデバイスで血液やDNAをはじめさまざまな液体や気体を分析する生化学分析デバイス。

流路形成

積層による流路形成のイメージ

サンプル

写真はサンプルです

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