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環境・社会活動報告

環境パフォーマンスデータ/活動状況

CO2排出量の低減

 2014年度、CO2排出に占める電力起因のCO2が84%、灯油起因のCO2が16%となり、電力の比率が前年度比3%上昇しました。医療用製品の再生産ロス改善により、灯油使用量が前年度比10%減少したことなどによるものです。また、日常の省エネ活動に加え、老朽化エアコンの更新など、省エネ設備の導入を行いました。しかし、生産高の増加や新規事業用のクリーンルームの稼働と設備の試作運転による電力使用が加わり、電力と灯油を合わせた全体で前年度比3.7%の増加となりました。

CO2排出量の推移
CO2排出量の推移

水使用量

 水も灯油同様、医療用製品処理設備の清掃箇所見直しによる再生産回数の減少効果が大きく、水使用量の削減につながりました。また、週単位での水使用量の点検を継続するとともに、貯水槽の異常渇水を検知する減水センサーを取り付け、漏水の早期発見、処置ができるように改善を行いました。このようなことから、水の使用量は前年度比9.2%減少しました。

医療用の新製品用設備
医療用の新製品用設備
水使用量の推移
水使用量の推移

化学物質の管理

 RoHS6物質が工程内で使用されないように原材料や混練加工済み材料を受入段階で検査するとともに、出荷する製品の確認を行うことで化学物質に対する品質保証を継続しています。
 ゴムの添加剤に使用しているフタル酸エステル類(DEHP、BBP、DBP)が検討対象物質になったことから、これまでPVCとともに進めてきた配合薬品の代替活動が一層重要なものになりました。
 工程内で使用しているPRTR法の対象となる化学物質には数種類の有機溶剤があります。
 環境や安全に対するルールに従って使用するとともにPRTR法で指定される移動量の届出を行っています。

リサイクルの推進

 第二福島工場の排水に含まれるゴム屑などの浮遊物を除去する過程で分離された脱水汚泥は、廃棄物全体の4%程度を占めています。
 これまではリサイクルできず、埋立処理されていましたが、2014年度には、この脱水汚泥を道路の路盤材としてリサイクルするルートを確立することができました。
 その結果、リサイクル量、リサイクル率が増加しました。リサイクル率は前年度に比べ2.5ポイント向上して82.4%となり、80%を超えることができました。

道路の路盤材用砕石にリサイクルされた脱水汚泥
道路の路盤材用砕石にリサイクルされた脱水汚泥
リサイクル量およびリサイクル率の推移
リサイクル量およびリサイクル率の推移

省エネルギー

電力使用量

 2013年度同様、夏季の空調管理による電気使用量の抑制、タイマーによる設備の電源の管理、節電意識向上活動、品質不良発生防止活動、福島工場では老朽化した大型エアコンの更新などの電力消費削減策を実施しました。
 また、福島工場では全体の生産減少、白河工場で複合製品の生産増加、クリーンルームの本格稼働による消費電力の増加などの稼働状況が変動しました。その結果、生産高が前年度比6.9%増加し、電力使用量も7.9%増加しました。

灯油消費量

 2014年度も継続して品質不良による再生産を減少させ、灯油使用量の削減に取り組みました。特に医療用製品の処理設備では、清掃箇所を見直し、再生産回数を大きく減少できました。この改善の効果により、使用量が前年度比10.0%減少しました。

エネルギー使用量の推移
エネルギー使用量の推移

廃棄物の削減

 2014年度も継続して廃棄物で最多のゴム系廃棄物の削減を狙い、投入材料削減活動を継続しました。その結果、特に医療用製品でゴム系廃棄物が減少しました。
 それに対し、生産量の増加に伴い原料の容器であるダンボールや紙類、ポリシート、木製パレットなどが増加しました。これらの結果、廃棄物全体では前年度比5.9%の増加となりました。

廃棄物総排出量と前年度比の推移
廃棄物総排出量と前年度比の推移
廃棄物の種類
廃棄物の種類
排出量の推移
排出量の推移

トリクロロエチレン浄化活動

 当社の主力商品だったASA COLOR LAMPCAP中に含まれる不純物を取り除くため、トリクロロエチレンを使用してきました。このトリクロロエチレンが地下に浸透していることがわかり、1996年から土壌ガス吸引浄化装置による土壌浄化、2004年から地下水揚水浄化装置による浄化を行ってきました。
 2014年度は、2012年度から評価を開始した土壌中の汚染物質を微生物に分解させて浄化する方法について、微生物が活性化するのに適当な土壌条件の調査を行いました。微生物が活発に活動するには土壌の水素イオン濃度や栄養分となる薬剤が火山性土壌に含まれる硝酸イオンや硫酸イオンの影響を受けないことが必要です。
 菌が住みつき、増えやすくなるように炭素繊維の菌床を設置したり、栄養剤の入れ方などを検討しましたが、微生物を活性化させ、汚染物質を効果的に分解できる条件は見出せませんでした。2015年度も継続して微生物を活性化させる条件を調査していきます。

土壌浄化条件調査
土壌浄化条件調査

voice 品質向上へ向けて生産現場から製品の技術・設計面の知識を強化

 品質の高い製品をつくるには、お客様のニーズをふまえて技術を開発し、設計図に反映させることが必要です。一方で、実際に製品化する生産現場でも、設計の意図などに対する理解を深めることが重要です。
 そこで、私たち技術開発の担当者が講師役となって、製品ごとのポイントを生産現場の担当者に解説する「技術塾」を立ち上げました。私は、全6回のうちの1回を担当し、自動車のオーディオなどのボタンに使われるゴム製品をテーマに、コア機能や特性、生産工程における重要点などを講義しました。
 講義の準備を進めるうち、技術の原理・原則に立ち返ることで、さまざまな気付きを得ることができました。また、生産現場からも、より効率的に生産するためのアイデアが生まれつつあります。今後も、技術塾の活動などを通じて、ものづくり企業の総合力の底上げに貢献していきたいと考えています。

福島工場 技術グループ
伊東 宏樹