株式会社朝日ラバー

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環境・社会活動報告

環境パフォーマンスデータ/活動状況

CO<sub>2</sub>排出量の低減

 エネルギー起因のCO2は電力が約8割、 灯油が約2割となっています。2013年度は品質不良の発生防止や生産設備、 空調設備の日常管理活動と老朽化エアコンの更新など、省エネ設備の導入を行いました。
 しかし、 既存製品の受注増と新製品の立ち上げにより電力と灯油の使用量が増加したため、 電力、 灯油を合わせた全体で前年度に比べ10.3%の増加になりました。

CO2排出量の推移
CO<sub>2</sub>排出量の推移

水使用量

 2013年度も前年度同様、 品質不良による再生産を防止する品質向上活動や冬期の水道管損傷防止活動を行いました。また、 週単位での水使用量の点検を行い、 使用量の異常を確認しました。しかし、 混練設備の冷却機構の故障により、長期間冷却水を循環水から水道水に切り替えたこと、 医療用の新製品の立ち上げで新たに水の使用を開始したことから、水の使用量は前年度比 44.7%と大きく増加しました。

医療用の新製品用設備
医療用の新製品用設備
水使用量の推移
水使用量の推移

化学物質の管理

 RoHS指令6物質が工程内で使用されないように原材料や混練加工済み材料を受入段階で検査するとともに、出荷する製品の確認を 行 う ことで、化学物質に対する品質保証を継続しています。
 ゴムの添加剤に使用しているフタル酸エステル類(DEHP)が検討対象物質になったことから、これまでPVCと一緒に進めてきた配合薬品の代替活動が一層重要なものになりました。
 工程内で使用しているPRTR法の対象となる化学物質には数種類の有機溶剤があります。
 環境や安全に対するルールに従って使用するとともにPRTR法で指定される移動量の届出を行っています。

リサイクルの推進

 2013年度は、 前年度途中からRPF*化された第二福島工場排出のゴムバリとポリシートがすべてリサイクルされたことにより、 リサイクル重量、 リサイクル率が増加しました。
 白河工場製品の増産により発生量が増えた廃プラスチック資材も再資源化できる業者が見つかり、 リサイクル化を開始しました。
 第二福島工場の排水中の浮遊物除去の過程で分離される汚泥について、 路盤材としてのリサイクルを検討していましたが、 汚泥の成分が基準をクリアできず、リサイクル化することができませんでした。別用途でのリサイクル化の検討を継続していきます。これらの結果、 リサイクル率は前年度比 18.0ポイント向上しました。

*RPF:Refuse Paper and Plastic Fuel
主に古紙や廃プラスチックなどマテリアルリサイクルが困難な産業系廃棄物を主原料とした固形燃料

リサイクル量およびリサイクル率の推移
リサイクル量およびリサイクル率の推移

省エネルギー

電力使用量

 夏季の空調管理によるデマンドと電気使用量の抑制、タイマーでの電源投入設備の投入時間管理、 エア漏れ修理によるコンプレッサーの負荷低減、節電意識向上活動、品質不良発生防止活動などを継続して実施しました。また、福島工場では複数台存在する老朽化した大型エアコンの初年度更新(1台 )を実施しました。各工場ともに受注が好調で、社内の生産高が前年度比15.7%増加し、 これに伴い電力使用量も7.5%増加しました。

灯油消費量

 2013年度は前年度からの継続事項として品質不良による再生産を減少させ、それに使用する灯油の削減に取り組みました。これにより、件数で前年度比約30%、使用量で約7.2kLの削減効果がありました。灯油を使用する医療用新製品の立ち上げにより、 使用総量では前年度比19.9%の増加になりました。

エネルギー使用量の推移
エネルギー使用量の推移

廃棄物の削減

 当社の廃棄物で最大の割合を占めるゴム系廃棄物を削減するため2013年度も投入材料削減に対する活動を継続しました。また、 福島工場では、 金型洗浄方法を見直し、 廃ウエスの廃棄量を前年度比約50%削減しました。第二福島工場では、 排水処理施設の改造に合せて汚泥脱水機を導入し、 汚泥の月間発生量を前年度比約21%削減しました。
 しかし2013年度は生産高の増加に加え、新製品に使用した使用済み梱包資材などが増加し、 前年度比15.9%の増加となりました。

廃棄物総排出量の推移
廃棄物総排出量の推移
廃棄物の種類
廃棄物の種類
排出量の推移
排出量の推移

トリクロロエチレン浄化活動

 当社の主力商品だったASA COLOR LAMPCAP中に含まれる不純物を取り除くため、トリクロロエチレンを使用してきました。このトリクロロエチレンが地下に浸透していることがわかり、1996年から土壌ガス吸引浄化装置による土壌浄化、2004年から地下水揚水浄化装置による浄化を行ってきました。
 2013年度は、前年度、敷地中央部に発見されたあらたな汚染の中心を探るため、10m角の交点部分85カ所で深さ1mのガス調査を行い、最も強い検出地点の深度別の汚染を調査しました。汚染の中心を特定できましたが、 今後、さらに浄化すべき範囲の絞り込みが必要です。一方、微生物を使用した汚染物質の分解効果を確認するため、既存の観測井戸を使用した現地浄化試験を行いました。この試験では分解効果が認められず、新たな分解条件の設定と効果確認が必要です。
 今後は、これらの新たな課題について、調査、検討を進め、浄化活動に取り組んでいきます。

土壌ガス調査
土壌ガス調査

voice 設備を見直して節水に取り組みます

 注射器などの医療用器具に使うゴム製品は、生産時の薬品や不純物が残らないように、洗浄しています。
受注数が増えてきたため、2013 年に新たな洗浄設備を導入しました。
 従来の洗浄設備では高圧シャワーをあて続けていましたが、新設備では、水を溜める槽のなかでゴムを回転させ、気泡を当てて洗浄するようにしています。水を 2 回使うところを 1 回で済むようにするなど、工程全体も見直しています。これらの取り組みにより、約 10% の節水効果が出ました。
 工場全体の排水設備も見直し、水の汚濁レベルごとにパイプを分けて排水できるようにしました。重点的に監視すべき箇所が把握できたので、環境負荷の低減やメンテナンス効率の向上につながっています。
 今後も、より効果的な方法を見つけ出すために、新たな方式を検証していきたいと思います。

第二福島工場
技術グループ
班長 高桑 英雄